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こんにちは!元公務員で公務員専門FPの岩崎です。
先日、メルマガ読者さんからこんなご質問をいただきました。
質問内容はコチラ
お疲れ様です。
翌年度の四月から、高卒で地方公務員の一般事務職で働き始めるのですが、初めから知っておくと良いことはありますでしょうか。
また、高卒ならではのメリット、デメリット、注意点などがありましたら教えていただけると幸いです。
イデコはすぐに始めた方がいいのでしょうか?それともある程度収入が増えてからの方がいいのでしょうか?
初任給は約14万円です。
このご質問に答えたいと思います。
書いてるうちに記事が長くなってしまったので、今回は「公務員として働くときに知っておくと良いこと」についてお答えします。
「高卒ならではのメリット・デメリット」と「イデコはすぐ始めた方が良いのか?」については、次回以降にお答えします。
それにしても高校生の方からのご質問は初めてで、若い方にも読んでいただけてるんだな〜と感動。
そしてこの方、高3でイデコを検討しているというマネーリテラシーの高さ…ほんと素晴らしい。僕の高3のころと大違いです。
すごく…しっかりしてる…すごい…
ご本人には回答済みですが、ブログでもシェアしたいと思います。
公務員が知っておくと良いこと
お金に関することや、僕の公務員時代の個人的経験から感じたことをお伝えします。
地方公務員の一般事務職の方向けの内容ですが、その他の公務員(教員など)に共通することも多いので、ぜひ参考にしてください。
- 昇給について
- 副業解禁の流れ
- 人間関係で疲れない方法
この3つをお伝えします。
公務員の昇給について
公務員の昇給ペースを知っておきましょう。ある程度将来の見通しが立てやすくなります。
あくまで2019年現在の話ですが、地方公務員なら基本的に毎年給料がアップします。
昇給金額は、毎年5,000〜8,000円くらい。ただし、定年まで上がり続けるわけではありません。
55歳以降は昇給しない自治体や、毎年の昇給額が少なくなる自治体も存在します。
もちろん、勤務態度がものすごく悪いとか、欠勤しているなどの理由で昇給額が少なかったり、全く昇給しないということもあります。
ふーん。逆に給料減ったりせんの?
いちおう「降給」の制度はあるけど、適用はレアケースだろうね。
「公務員だから安泰」はもう通用しない
ただし、これはイコール「公務員だから安泰」ということではありません。
僕が公務員の方、特にまだ若い世代の方に知っておいて欲しいのは、「人口減少がほぼ確実な日本では、今後何十年も、いまの昇給制度が維持されると思わない方が良い」ということです。
実際、僕が公務員として働いていたときも、中高齢層の昇給抑制がありました。
この辺りは、自治体の財政状況やスタンスにも左右されるところですが、
人口減少
↓
経済衰退
↓
民間の給与が減る
↓
公務員の給与も減る
という時代の流れは把握しておきましょう。
せちがらい…
もちろん、今すぐ昇給停止!ってワケじゃないよ。でも長期的な視点は持っておいた方がいろいろ準備もできるよね。
公務員の昇給についてもっと知りたいぞ!という方向けに、「公務員の昇給公開!1年で7千円。ずっと上がる?仕組みをやさしく解説」という記事を書いてます。ぜひどうぞ。
公務員の昇給公開!1年で7千円。ずっと上がる?仕組みをやさしく解説
公務員の副業解禁の流れ
今の昇給制度が維持できないことにも関係しますが、「公務員の副業解禁」の流れがあります。
これからは、たとえ公務員であっても、本業以外の収入源を持てる時代が来るでしょう。
公務員でも副業できるんか??
実際に、副業解禁する自治体も出始めてるんだよね。
既に副業解禁されている自治体も
事実、2017年4月には、神戸市が独自の副業許可基準を設けました。それに続けと、2017年7月には奈良県生駒市も許可基準を設けました。
どちらの市も、「どんな副業も全面的にOKだよ〜」ってワケではなく、公共性の高い地域貢献活動などに限られますが、かなり先進的な取り組みですよね。
この副業解禁の流れは、今後も加速していくと予想されます。
なぜなら、人口減少による経済衰退はもはや避けがたく、個人個人で生き抜くスキルを身に付ける必要があるからです。
ただし、公務員はガチガチの前例踏襲文化なので、副業そ解禁する自治体がもっと出てきたり、国が先陣を切らないとなかなか広がらないとは思います。
また、画期的な政策や技術開発により、経済衰退を回避するシナリオもあり得えます。
副業解禁が未来のうちに準備しとこう
だからと言って「まあ大丈夫でしょ」と、何も準備してない方がいいの?というと当然そんなことはありませんよね。
将来安泰だと思われがちな公務員でも、自分のスキルを磨いておくに越したことはありません。
いまの世の中が、副業解禁に向かっていることはまぎれもない事実ですからね。
実際に、厚労省も2018年1月に「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を作成し、副業・兼業の普及推進に取り組んでいます。
今すぐの副業はムリでも、自身の専門性を高めておくことで、いざ解禁となったときにスタートダッシュを切ることができます。
解禁になって初めてスキル磨きを始めた人と、虎視眈々とスキルを磨いていた人では、どちらが早く結果に結びつくかは明らかですよね。
たとえば、エクセルのマクロやVBAなどのプログラミング技術を身につければ、ふだんの業務にも使えますし、その他の仕事をする際にも役立ちます。
(正確にはマクロはプログラミングではありませんが…)
行政事務であれば、国の施策や流れを把握しやすい立場でもありますので、次はコレが来そうだから勉強しておこう!というようにアンテナを張っておく戦略もアリですね。
自分の置かれた状況、配られたカードを最大限活用しながら、人生ゲームを楽しみましょう!
なお、副業とはいかないまでも、ちょっとしたお小遣い稼ぎをしたいな…という方は、次の記事をチェックしてみてください。
公務員の副業解禁されたけど、合法でバレずにやるならコレ一択
公務員の人間関係について
さて、昇給・副業とお金がらみの話をしてきましたが、「人間関係」についても触れておきます。
人間関係は、大きく「外部」と「内部」にわかれますが、今回は「内部の人間関係」についてお伝えします。
内部、つまり同僚(同期・先輩・後輩)や上司との人間関係がうまくいかず、精神的に病んでしまうこともあるかもしれません。
たしかに公務員も病休多いって聞くやで…
公務員も人間だし、「良いひと」もいれば「苦手なひと」も当然いるもんね…
自分にとって「苦手なひと」と出会ってしまったり、ましてや同じ部署で仕事をすることになると、なかなかツライものがあります…
そんな時の対処法を3つお伝えします。
- 相手をコントロールしようとしない
- 異動を待つ
- それでもムリなら休もう
相手をコントロールしようとしない
人は「やなやつ」に遭遇すると、相手に合わせようとしたり、逆に反発しようとしたりしますが、その行動の根底に「相手をコントロールしたい」という欲求が隠れていることがあります。
これはけっこう厄介な問題です。
コントロールの対象は、相手の行動だけでなく、思考も含みます。
「自分がこう言ったら、相手はこう思うかな?」とか考えたことありませんか?
たとえば、「代わりに仕事してやったんだから、ありがとうぐらい言ってよ」とか。
このような、「相手の行動や思考をコントロールするために、自分の言動を決める」のはやめた方が良いです。
理由は2つ。
- そもそもコントロール不能
- コントロール不能状態は心身を害する
考えてみれば当たり前なんですが、自分の行動や思考はコントロールできても、自分以外の行動や思考はコントロールできませんよね。
(法による強制コントロールが効く場面もありますが、日常生活ではまずありません)
でも、人間はコントロール欲求が強い生き物なので、「コントロール不能状態」は非常に大きなストレスになります。
場合によっては、命にかかわることも。
うそ…
ハーバード大学教授で心理学者のダニエル・ギルバート氏が書いた本「明日の幸せを科学する」に、こんな実験が登場します。
老人ホームの老人に、観葉植物を配った。
- 老人のうち半数は、職員が観葉植物の世話をした
- 残りの老人は、自分で観葉植物の世話をした
6か月後。
- 職員が観葉植物の世話をしていた老人の30%が死亡
- 自分で観葉植物の世話をしていた老人の15%が死亡
- 自分で観葉植物の世話をすると、生存率が上がった。
老人ホームの老人を、学生ボランティアが何度か訪ねた。
- 半分の老人は、学生ボランティアの訪問日を、老人自身が決めた
- 残りの老人は、自分で日時を決めなかった
2か月後。
訪問日を自分で決めた老人は、そうでなかった老人に比べ、より幸せを感じやすく、健康で、薬の服用量が少なかった。
この時点で実験と学生ボランティアの訪問は終了。
そこから数か月後。
- 訪問日を自分で決めた老人の死亡数が極端に多くなった
- 自分で訪問日を決めると、健康になった。
- 訪問日を決めた後、訪問自体がなくなると、死にやすくなった。
(な、なんかものすごい実験やな…)
これらの実験結果は、「自分で物事をコントロールすることの有用性と中毒性」を示しています。
自分で物事をコントロールできれば、心身に良い影響があるけど、ひとたびそのコントロールを失うと心身を害するということです。
他人は自分の意図通りに動きませんから、一時的に自分がコントロールできたと思っても、それは幻想で、いずれコントロール不能状態になります。
すると、ひとたびコントロールできていた(と思い込んでいた)ことが、コントロール不能となり、よりストレス状態が強まります。
人間って面倒な生き物ですよね…
なので、コントロールできること(自分自身の考えや言動)だけに集中し、できないこと(他人の考えや言動)は気にしない、というのが良さそうです。
相手をコントロールしようとすると、「なんで思い通りにならないんだよ!ムキー!」となって、より関係性が悪くなり、どんどん負のループにハマっていきます。
まぁ関係性が悪くなるだけならまだ良いかもしれませんが、自分自身が不健康になるのはなんとしても避けたいですよね。
「やなやつ」や「苦手な相手」とは、可能なら物理的な距離を置いて、それがムリなら心理的な距離を置いて付き合いましょう。
異動を待つ
また、公務員は良くも悪くも「異動」があるもの。
3〜5年くらいで異動するので、「やなやつ」が異動するかもしれないし、自分自身が異動するかもしれません。
なので、「まぁあと1年の辛抱だ」と思って淡々と過ごすのも一つの手ですね。
ちなみに、ぼくは7年半の公務員時代に、係単位の異動も含めると4つの部署を経験しました。
それでもムリなら休もう
「あと1年も待てん…あの人と同じ空気を吸うのもつらくてうまく呼吸できん…」みたいな人はどーしたらええんやろ?
そんなときは、思い切って休もう。
公務員は休職制度も充実していますし、職員が休んで業務に支障が出る場合の対処は、マネージャー(管理職)の出番です。
管理職にバッター交代して、しばらく休みましょう。
同僚や上司に迷惑がかかるから休めない…という気持ちはわかります。
とくに、自分一人で一つの業務を持っている場合は休みづらいですよね。
自分が休んだら業務が回らなくなるんじゃないか…
その分誰かにしわ寄せが行って迷惑をかけるんじゃないか…
そんなことが頭をよぎるでしょうが、自分自身の健康が第一。まずは自分を大切にしてください。
僕も公務員時代に、いろんな方が病気(身体・精神どっちも)になって休む場面を見てきました。
実際、自分の係の方が病休に入って、業務量がドカッと増えたこともあります。
でも、それが組織というもの。
気にせず休みましょう。
公務員が知っておくと良いことまとめ
それでは今回の記事のまとめです。
- 今の昇給制度が維持される可能性は低い
- 来たる副業解禁に備え、スキルを磨こう
- 人間関係で悩んだら
…他人をコントロールしようとしない
…異動を待とう
…休んでもいいよ
今回は、「公務員として働くときに知っておくと良いこと」をお伝えしました。
次回は、いただいた質問のつづきである、「高卒ならではのメリット・デメリット」にお答えします。
高卒公務員のメリット・デメリットは?生涯年収や試験難易度、出世について
最後まで読んでくれて感謝!!
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