この記事では、元公務員のFPが当時の昇給内容を公開し、その仕組みについてくわしく解説します。
こんにちは、公務員専門FPの岩崎です。
今回のテーマは公務員の昇給について。
の僕昇給の具体例をもとに、昇給の仕組みや、どういう時に同僚と差が付くのかなどについてお話します。
公務員歴7年半で7万円昇給(実例)
まずは、ぼくの昇給歴をぶっちゃけますね。
ちなみに、大卒事務職の地方公務員です。
年数 | 給料月額 | 昇給額 | 理由 |
---|---|---|---|
1年目 | 179,100円 | 初任給 | 初任給 |
半年後 | 181,700円 | 2,600円up | 昇格1級 |
2年目 | 188,200円 | 6,500円up | 昇給4号 |
3年目 | 195,600円 | 7,400円up | 昇給4号 |
4年目 | 202,700円 | 7,100円up | 昇給4号 |
5年目 | 211,500円 | 8,800円up | 昇給4号 |
6年目 | 222,200円 | 10,700円up | 昇給6号 |
半年後 | 235,300円 | 13,100円up | 昇格1級 |
7年目 | 241,700円 | 6,400円up | 昇給4号 |
8年目 | 249,100円 | 7,400円up | 昇給4号 |
青字のところは、その他に比べて昇給額が多いですね。
これは後ほど詳しく説明しますが「特別昇給」や「昇格」によるものです。
7年半で辞めたんですが、振り返ってみると初任給からちょうど7万円upしてました。
退職時の給料は約25万円ですが、税金や社会保険料などを引いた手取りは19万円くらいかな?(住宅手当等のぞく)。
昇給したはずなのに、あんまり手取り増えないなぁと思ってました。
今ならいろいろ節税して増やすんですけど、無知でしたね 笑
節税して手取りを増やす方法は次の記事で紹介してます。ぜひどうぞ。
【給与明細公開】公務員8年目の月収ぶっちゃけます。住民税安くする方法も
額面と手取りってだいぶちがうのね
公務員の昇給の仕組み
昇給の話に入る前に、公務員の給料の決まり方を知っておくと分かりやすいです。
公務員の給料は「給料表」にバシッと載ってます。(国家公務員は「俸給表」と言います)
こんな感じの表です。
1級 (主事) | 2級 (主任主事) | 3級 (主任) | 4級 (係長) | 5級 (課長補佐) | |
1号 | 135,600円 | 185,800円 | 222,900円 | 261,900円 | 289,200円 |
2号 | 136,700円 | 187,600円 | 224,800円 | 264,000円 | 291,500円 |
3号 | 137,900円 | 189,400円 | 226,700円 | 266,000円 | 293,800円 |
4号 | 139,000円 | 191,200円 | 228,500円 | 268,100円 | 296,100円 |
全ての公務員は、この表のどこかに位置付けられ、そのポジションによって給料が決まります。
そのポジションは「級」と「号」で構成されてます。
上の表だと、2級1号の主任主事は185,800円になるという仕組みです。
なお、給料表は条例で作られるので、自治体によって違います。
また、職種によっても違います(教員には教員用、事務職には事務職用の給料表があります)。
「自治体名 給料表」で検索すれば、出てくるところが多いです。
それで出なかったり、情報が古くなってる場合は「自治体名 例規集」で検索してみましょう。
例規集(れいきしゅう)とは、自治体の条例や規則などが集まったデータベースのことです。
条例を見れば間違いないんですが、長ったらしくて分かりにくいです。
給与の条例は一番下に「別表」があるので、そこをチェックしましょう。その「別表」が給料表そのものです。
例:東京都の給料表の探し方
「東京都 例規集」 で検索
右上の「用語検索」から「給与」で検索
検索結果の「職員の給与に関する条例」をクリックし、一番下にある別表を見る
公開されてるんだ~丸見え~~
公務員の昇給=号や級が上がり、給料表のポジションが変わること
さて、いよいよ昇給についてです。
公務員の昇給とは、
「号」や「級」が上がり、給料表のポジションが変わることです。
まず、毎年「号」が上がります。
公務員の昇給と言えば、大体この「号」が上がることを指します。
また、役職が上がるタイミングで「級」が上がります。
これを「昇格」といいます。
「級」が上がると、「号」が上がったときよりも、昇給する金額が大きいです。
「級」が上がった時の「号」は、そのままスライドするのではなく、下がるのが一般的です。
例えば2級4号から3級にランクアップする時に、3級4号ではなく3級1号になったりします。
そしてまた3級の「号」が毎年アップしていく…という具合です。
イメージとしては、こんな感じですかね。
- 表の下に行くと「号」がupする
→RPGのレベルのようなもの。毎年upする。 - 表の右に行くと「級」がupする
→RPGのジョブチェンジのようなもの。上級職になるので、昇給幅も大きい。
なお、就職した時点の「号」と「級」は自治体や試験区分等によって決まります。
例)東京都の事務職
→1類Aの試験で入れば1級37号になります(2018年現在)。
レベル上げみたい
公務員は実際にどれくらい昇給するのか
じゃあ金額的にどれくらい上がるものなの?ということが気になりますよね。
ここで冒頭のぼくの昇給歴に戻りましょう。
年数 | 給料月額 | 昇給額 | 理由 |
---|---|---|---|
1年目 | 179,100円 | 初任給 | 初任給 |
半年後 | 181,700円 | 2,600円up | 昇格1級 |
2年目 | 188,200円 | 6,500円up | 昇給4号 |
3年目 | 195,600円 | 7,400円up | 昇給4号 |
4年目 | 202,700円 | 7,100円up | 昇給4号 |
5年目 | 211,500円 | 8,800円up | 昇給4号 |
6年目 | 222,200円 | 10,700円up | 昇給6号 |
半年後 | 235,300円 | 13,100円up | 昇格1級 |
7年目 | 241,700円 | 6,400円up | 昇給4号 |
8年目 | 249,100円 | 7,400円up | 昇給4号 |
黄色マーカー部分が基本的な昇給で、毎年4号ずつ上がってますね。
この「毎年4号ずつ昇給ルール」は、ほとんどの自治体で共通です。実際、ぼくは親戚も公務員が多いんですが、みんな毎年4号ずつ上がってます。
1号あたりの昇給額は、1,400円〜2,000円くらいなので、4号上がれば5,000円〜8,000円くらいアップします。
なので、公務員の給料は毎年大体5,000円〜8,000円くらいアップするのが実態です。
また、勤務成績の良し悪しで5号よりも上がったり、逆に3号以下しか上がらない、なんてこともあります。
緑マーカーの6号upはその時の勤務成績が良かった(と評価された)ためです。
また、青マーカー部分は「級」が上がった時なので、「号」に比べて昇給額が多いですね。
ただし、「級」が上がれば役職も上がり、責任も重くなっていくので「割に合うかどうか」は正直微妙なところです。
毎年確実に昇給するのはうれしかったです。
定年まで昇給し続けるわけじゃない
毎年5,000円〜8,000円上がるといっても、定年まで上がり続けるわけではありません。
例えば、55歳以降は昇給しないという自治体があったり、毎年の昇給号数が4号ではなく2号になる自治体もあります。
また、1号あたりの昇給幅も小さくなっていきます(例えば500円など)。同じ4号アップでも、1号あたり500円なら2,000円アップにとどまります。
「級」がランクアップすれば、「号」が下がるので、昇給幅もリセットされます。
ですが、「級」は8〜10級くらいまでしかなく、最上級は局長クラスになるので、やはり昇給はある程度で頭打ちになるというのが現実でしょう。
公務員だからって給料上がり続けるワケじゃないのか~…
同期と差がつく昇給パターン
ふつうに勤務していれば、4号は毎年上がります。
勤務成績が良くて1〜2号違ったところで、1号あたり多くても2,000円程度ですから、正直そんなに差はつきません。
ただし、役職が上がる(「級」が上がる)とそこそこ違ってきます。
なので、役職が上がって出世すれば他の同期よりも「給料は」上がります。
ですが、上にも書いたように責任は重くなりますし、昇給額との釣り合いもどんどん取れなくなって行く、というのが元公務員としての正直な感想です。
実際に公務員として働いていた時を思い出しても、出世したい!とガツガツやってる方はごくごく少数でした。
ただ過ごすだけでも昇給するので、能力に給料が見合ってないという批判もあったりしますよね。
給料表は毎年改正され、追加で差額支給があることも
ご存知の通り、公務員の給料は民間と釣り合いを取るようにできています。
その見直しの結果、給料表も毎年のように改定されてます。
給料が上がれば、さかのぼって差額が支給されることもあります。大した額ではありませんが、嬉しかったことを覚えてますね。
ただ、この毎年の改定による事務コストを考えると微妙な気持ちにもなります…。
公務員の昇給ポイントまとめ
それではまとめです
- 給料は「給料表」のポジションで決まる
- 給料表は「級」と「号」で構成される
- 毎年「号」が上がり、5〜8千円くらい昇給
- 役職が上がれば「級」が上がり、大きく昇給
- ずっと上がり続けるわけじゃない
- 給料表は毎年改定される
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