「節約の仕上げは変動費。とにかくラクに楽しんで節約しよう」という前回の記事では、
- クレジットカードで払おう
- ふるさと納税で食費を節約
- ハピタスで買い物をお得に
と、変動費の節約についてお伝えしました。
まだお読みでなければ、ぜひお読みください。
さあ、「お金に困らない仕組みづくり講座(全10回)」も9回目です。
これまでの過去8回の講座では、強くてスリムな家計を作ってきました。いわゆる守りの部分ですね。
今回からはいよいよ攻めに転じて、「投資」をテーマにお届けします。
やっと投資の話かー、わくわく
まずは投資の基本について取り上げ、最終回となる次回は、「面倒だけど投資には興味がある」という方でもできる投資法をお伝えします。
知らないうちに投資をしている
僕が公務員だったころ「投資」と聞くと、
- なんか大損しそうで怖い
- お金持ちだけがやることでしょ
というイメージを持ってました。
同じようなイメージをお持ちの公務員の方も多いと思います。
でも、実際のところは、知らず知らずのうちに投資をしている公務員の方って多いんですよね。
たとえば、
- 学資保険
- 外貨建て保険
- 個人年金保険
これらはすべて投資です。
保険も投資のひとつ
学資保険を例にあげてみましょう。
- 10年満期
- 受取額190万円
- 月の支払い保険料15,000円(総額180万円)
180万円払って190万円受け取るので、返戻率は105.5%です。年利にすると、1.08%になります。
投資で年利1.08%はけっこうさみしい利率です。
もし年利5%で運用できた場合は、232万円になります。190万円との差額は42万円ですね。
学資保険も、集めたお金を保険会社が投資して増やしています。つまり、学資保険に入ってる方は、保険会社に自分の代わりに投資してもらってるだけなんです。
代わりに何かをやってもらうには、手数料がかかります。
保険会社が仮に年5%で運用できた場合でも、加入時に約束した金額しかもらえません。
この場合だと、42万円の手数料を払って、保険会社に投資してもらったということになります。
この手数料は、はたして妥当なんでしょうか?
高すぎる気がする…
自分で投資する方が合理的
自分で投資すれば、手数料はほぼゼロなので、貯蓄型の保険に入るくらいなら、自分で投資する方が合理的です。
貯蓄型の保険は、中途解約した場合に盛大に元本割れするのも見逃せないデメリットですね。
このように、保険も含めて考えると、投資をしている公務員の方はかなり多くなります。
割高なコストを払って保険会社に運用してもらうのはオススメしません。
投資の基本3つ
うーん…とは言っても、何に投資したら良いかワカラン…
そうだよね。まずは投資の基本方針3つをおさえよう!
- 複利で運用する
- 分散して運用する
- 手数料がゼロor安い物を選ぶ
この3つを踏まえて、検討に値する投資商品は「インデックスファンド」と呼ばれるものです(後ほど説明します)。
①複利で運用!
アインシュタインも、「人類最大の発明は複利である」と言っているほど、重要なものです。
金利には「単利」と「複利」がありますが、効果的に資産を増やすには、複利で運用しましょう。
100万円を年利5%で運用した場合、単利と複利では次のようになります。
複利 | 単利 | 差 | |
---|---|---|---|
1年目 | 105 | 105 | 0 |
5年目 | 128 | 125 | 3 |
10年目 | 164 | 150 | 14 |
30年目 | 446 | 300 | 146 |
おー!かなり違うのね!
ここまで差がでる理由は、
- 単利では、最初の元本に対してのみ利息が計算される
- 複利では、利息をどんどん元本に組み入れ、利息が計算される
からです。
複利だと運用元本がどんどん増えるので、運用期間が長くなるほどその効果は絶大です。
実際の金融商品に当てはめると、毎月分配型の投資信託は単利の代表選手。
「年金がわりに良いですよ」などのセールストークで売られますが、避けた方が無難です。
②分散して運用!
投資の世界では、「卵は一つのカゴに盛るな」という格言が存在します。
たとえば、セブン&アイホールディングスの株だけ買ったAさんと、日本の上場企業の全ての株(3,000社以上)を買ったBさんがいるとします。
(買った金額は同額とします)
セブンの株が大暴落したら、Aさんは大損ですが、Bさんは数ある株の中のひとつが暴落しただけなので、資産全体では損失を抑えることができます。
Aさんのカゴはひとつ、Bさんのカゴは3,000個以上あったということですね。
このように、分散して投資することで、リスクを減らすことができます。
その分、大儲けする可能性も減ります。
③手数料は抑えて!
金融商品に投資するには、いろんな手数料がかかります。
- 売買手数料
- 信託報酬
- 信託財産留保額
投資した金融商品の価値が上がるか下がるかは不明ですが、手数料は確実なコスト。なるべく削るようにしたいところです。
3条件を満たす=インデックスファンド
ここでさきほどの「インデックスファンド 」に話を戻します。
インデックスファンドとは、「日経平均株価」などの株式指標と同じ動きをする金融商品です。
中身は、いろんな金融商品の詰め合わせセットなので、分散投資の効果があります。
また、手数料も相当安いのでコスト削減できます。
金融商品の中でも、かなり堅実で手間もかからないので、公務員の方向けです。
分配金ありを選ぶと複利効果がなくなるので、「分配金も再投資されるインデックスファンド」を選ぶことが、一つの答えになると思います。
インデックスファンドは、日経平均株価などの指標に沿って機械的に買うだけなので、人件費がかからず、手数料も安くなってます。
一方、人が「この会社は良さそう」とかいろいろリサーチして買うものを「アクティブファンド」といいます。こちらは人件費がかかるので、手数料が割高です。
何に投資するか?
一般的に、「株式が上がれば、債券が下がる」という傾向があるので、これを利用して、株式と債券をどちらも購入することで、全体の値動きをマイルドにすることができます。
また、株式も債券も、「日本国内のもの」、「海外のもの」があります。
これらを、全世界分に分散して投資することで、世界経済そのものに投資することができます。
世界がこれからも成長していくという前提に立てば、全世界分散投資は有効な投資手法だと言えます。
世界中にひろ~く投資するってことか
アセットアロケーションを組もう
アセットアロケーションという言葉があります。アセットは「資産」、アロケーションは「配分」という意味です。
直訳すると資産配分ですね。
投資する全体資産のうち、どの金融商品をどれくらい配分するかを決めておくことが重要です。
債券に比べ、株式は値動きが激しいという特徴があります(儲けも大きくなるけど、損も大きくなる)。
このため、株式の割合を増やせば、よりハイリスクハイリターンを狙ったアセットアロケーションになり、逆に債券の割合を増やせば、ローリスクローリターン寄りになる、という具合です。
どれだけのリスクを取れるかは、自分の性格や価値観、年齢などによって変わってきます。
自分だけのアセットアロケーションを組みましょう。
横文字でかっこつけとるけど、つまり「割合」のことなのね。
まとめと次のステップ
これで講座9回目はおしまいです。おつかれさまでした!
- 貯蓄型保険は、コスパの悪い投資
- 投資の基本→複利、分散、低コスト
- 全世界分散投資がおすすめ
さて、いよいよ次回が最終回となります。
次回は、忙しい公務員の方でも「ほったらかしでできる投資法」を紹介します。
ここまでおつかれさまでした!最後のステップに進みましょう!
公務員が『不労所得』を手にするための『放ったらかし投資』のやり方
①お金でこまる原因を知る
├ お金が貯まる仕組みを作ろう
├ 家計簿が面倒なら『自動化』しよう
├ お金を貯めたいなら地銀はやめよう
└ FPおすすめのネット銀行3つ!ポイントは使い分け
②節約の仕組みをつくる
├ お金を貯めたいなら『最優先は節約』
├『固定費の見直し』住居費、通信費、光熱費編
├ 効果絶大!保険の見直し術
└ 節約の仕上げは変動費
③投資の仕組みをつくる
├ 投資初心者は『3つの基本』を押さえよう←今回の記事
└『不労所得』を手にするための『放ったらかし投資』