令和元年(2019年)12月20日に「令和2年度税制改正大綱」が閣議決定されました。
NISA制度の見直しが盛り込まれてますね。
そんな中、あのことについても触れられてました。
そう、確定拠出年金が抱える時限爆弾、特別法人税の扱いです。
凍結解除されてしまうと大ダメージ必至の特別法人税。
どう改正されたの?さっそくチェックしてみましょう。
特別法人税のおさらい
特別法人税についての詳しい記事説明は省きますが、確定拠出年金の積立金全額の1.173%が毎年取られちゃう税金のことです。(詳しく知りたい方は下記をお読みください。)
しかし、これまでずーっと凍結されていて、確定拠出年金に対しては実際に課税されたことがありませんでした。
その凍結期限が2019年度末までとされていたので、2020年度以降はどうなってしまうの状態だったワケです。
税制改正大綱で特別法人税はどうなる?
ここで冒頭の「税制改正大綱」に戻ります。
税制改正大綱についてざっくり言うと、翌年度の税制改正法案のもとになるもので、例年12月に発表されてます。
これが2019年12月20日に閣議決定されました。内容はコチラ(PDF)。
全101ページあるこの資料のどこかに、特別法人税についての記述があるはず。
というわけで「退職年金」でPDFを検索すると…
お、あったあった。
57ページ目にありました。どれどれ。
退職年金等積立金に対する法人税の課税の停止措置の適用期限を3年延長する。
あー…
延長。廃止ではなく。
3年前にも3年延長されたんですが、その時と書きぶりも全く同じですね。
いつまで凍結が延長されるの?
いまのところ、特別法人税は2022年度末(令和5年3月31日)まで凍結が延長されるということですね。
3年後にまた復活or延長or廃止の判断がされるのか…
金融庁の資料にも載ってますが、主要国で(凍結されてるとは言え)課税になってるのって日本くらいなんですよね。
もうバサッと廃止して欲しいなぁ…
確定拠出年金(iDeco)に与える影響
特別法人税は復活するかもしれないという前提に立ち、少なくとも1.173%以上の利回りを目指して確定拠出年金を利用すべきではないかと思います。
もちろん、運用方針は人それぞれあって良いと思いますが、インフレリスク(物価が上昇すると相対的に貨幣価値が下がっちゃうアレです)を考慮しても、元本保障タイプを安易に選ぶのは得策とは言えないでしょうね…
一人一人が自ら資産運用をして将来設計を図ることは、もはや不可避の時代に突入してます。
時代の流れとしては、2017年1月から公務員も確定拠出年金になりました。
僕の周りの公務員の友人をはじめ、ご相談いただく公務員さんでも、イデコを運用している方や検討している方は年々増えてきています。
これ自体は良いことだと捉えていますが、安易に「なんだか安全そうな響き」の元本保障商品を選ぶのではなく、上に書いたようなリスクも考えた上で金融商品を選ぶことをオススメします。
リスクもありますが、確定拠出年金はやはり節税メリットがかなりデカい制度です。上限アリとは言え、拠出金がまるまる所得控除になるのはインパクトりますよね。
ふるさと納税やNISAと組み合わせて賢く淡々と節税しましょう。
確定拠出年金を始める前の注意点
なお、確定拠出年金は確かに有利な制度ですが、紛れもなく投資です。
投資をする場合は、順序がとても大切。
収支の把握
家計の最適化
余裕資金の把握
資産運用
このようなステップで、仕上げ段階で資産運用を検討しましょう。
家計の見直しができてない状態でやみくもに投資をするのはおすすめしません。
参考になりそうな記事をピックアップしましたので、家計の見直し、投資前の準備について確認してみてください。
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