外貨建て保険はやめた方がいいって聞いたけど、もう入っちゃってるよ…どうしたらいいんだろ?
外貨建て保険に入ってる公務員さん、多いですよね。特に教員の方は、とある保険会社で加入されているケースが非常に多いです。
この記事では、日常的に公務い世帯の保険の見直しアドバイスをしているFPが、外貨建て保険の見直しのポイントをお伝えします。
保険会社に所属せず、提携も一切してないので、完全に公務員の目線からお届けします。
外貨建て保険の解約の前に払い済み保険も検討
見直しの手順は、保険料を一括で払ってる(一時払い)か、月々払ってるかによって変わります。
- 一時払いの方
…為替レートや解約控除、市場調整価格を見つつ、有利な時点で解約 - 月払いや年払いの方
…払い済みにして、為替レートや解約控除を、市場調整価格を見つつ、有利な時点で解約
一時払いで外貨建て保険に入った方
加入時にドーンと保険料を一括で支払った方は、
- 為替レート
- 解約控除
- 市場価格調整
この3つを少なくともチェックしておきましょう。
為替レートを見ておこう
加入時よりも円安になれば、為替差益で利益を得ることができます。
満期時まで待っても、その時点の為替レートは分かりません。加入中でも為替レートはしっかり把握しておき、有利であれば解約してしまうのも手です。
ただし、円に換える時に手数料もかかりますし、後述する解約控除や市場価格調整も絡んできます。
その辺りも計算してトータルで判断しましょう。
場合によっては解約返戻金を外貨で受け取っておき、円安になったタイミングで円に換えるという戦略もアリです(受け取り通貨を選べない場合もありますが)。
こんな風に考えなきゃいけないポイントがいろいろあって、正直めんどくさいですよね…
解約控除とは?
契約日から一定の期間以内に解約するとお金を取られる「解約控除」ですが、あまりこだわり過ぎるのはやめましょう。
携帯電話の2年縛りのようなイメージで、基本的に、解約が早ければ早いほど、解約控除で取られるお金も多くなります。
(解約控除の場合、2年どころの話じゃなく、もっと長いんですけどね…)
もし早期解約されても保険会社としてはコストを回収する必要があるので、このような商品設計になっています。
じゃあその解約控除ってやつが少なくなるまで待てばいいのでは?
これがそう単純でもないんだよね…
初めのうちに解約せず、解約控除が安くなるまで待って解約したとしても、その間に保険会社はコストを回収します。
加入者から集めた保険料を運用して利益を確保するんです。運用期間が長ければコスト回収の機会もたくさんあるので、よくできた仕組みですよね。
保険会社は、このあたりも計算し尽くして、解約控除の金額や率を決めてます。
つまり、いつ解約しても(あるいは満期まで待っても)損は損なんですよね…
- 初期の解約
…解約控除額が大きいので損 - 後半で解約or満期まで待つ
…自分で運用していたら得られた利益分の損
なので、解約控除がゼロになるまで待たなきゃ…というのは保険会社の思惑通りなので、あまりこだわり過ぎないようにしましょう。
市場価格調整にも注意
解約返戻金が、市場金利によって増えたり減ったりする仕組みのことを、「市場価格調整」といいます。
そして、市場価格調整の仕組みが適用される外貨建て保険も存在します。
この場合は、次のことを押さえておきましょう。
- 市場金利が上がれば、解約返戻金は減る
- 市場金利が下がれば、解約返戻金は増える
解約返戻金が増えるのは嬉しいけど、減るのはイヤですよね。
なので、解約時の金利が加入時より上がってるときは注意しましょう。
市場価格調整によって、実際の解約返戻金がいくらになるのかは、各保険会社のパンフレットなどに計算式が載っています。
月払いや年払いで外貨建て保険に入った方
一時払いではなく、月払いや年払いの方は、解約するよりも、「払い済み」にしたほうが有利なこともあります。
払い済みとは?
保険料の払い込みをやめて、現時点の解約返戻金で保険を買い取ることです。
言い換えると、解約返戻金で一時払いにしてしまうということです。
こうすると、それ以降は保険料を払わなくて済みます。
積み立てをやめるので、満期まで払っていた場合よりも受取額は当然減りますが、予定利率などの条件は継続します。
それまでに払った保険料は、保険会社に預けたままになります。
運用は続く
払い済みにしても、その後も運用は続きます。
なので、解約返戻金も少しずつではありますが増えていきます。
保証も継続するが、特約は消滅する
たとえば、終身保険に特約で定期保険が付いていた場合、払い済みにすると特約は基本的に消滅します。
正直なところ、合理的な死亡保証は、掛け捨ての定期保険か収入保障保険の2択なので、必要な場合は別途加入しましょう。保険料も割安です。
払い済みにできない場合もある
使い方によっては有効な「払い済み」ですが、加入期間や解約返戻金の額によっては払い済みにできない場合もあります。
保険会社によって違うので、加入している保険会社へ確認しましょう。
その際に、現時点の解約返戻金がいくらか?払い済みにした後の保証額はいくらになるか?もあわせて確認しておきましょう。
払い済みにした後は、有利な時点で解約
払い済み後は、一時払いのパターンと同じように、為替レートなどを見つつ有利な時点で解約を検討しましょう。
まとめ:外貨建て保険は複雑すぎる
それでは今回の記事のまとめです。
- 為替レートを見ておこう
- 解約控除は気にし過ぎない
- 市場価格調整にも注意
- 月払いや年払いは「払い済み」も検討
外貨建て保険の見直し超めんどい…
だよね…複雑で分かりにくい保険は検討しないようにしよう。
保険は、複雑であればあるほど、保険会社にとって有利で、加入者にとって不利です。
保険会社としては、複雑な分、巧妙にコストを紛れ込ませることができます。
加入者としては、複雑な保険の見直しは判断疲れを引き起こし、合理的な判断ができなくなります。
外貨建て保険に限らず、保険はシンプルで自分が100%理解できるものが一番です。
保険に入るときは、この鉄則を守るようにしましょう。
そうすれば、FPのようなプロに任せるまでもなく、よりよい判断ができるようになりますよ。
最後まで読んでくれてありがと~
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