公務員になったら、奨学金の返済がはじまっちゃう…なんとかお得にできないかな…
返済を先延ばしにして、しかも利息をチャラにする方法がありますよ。
「新卒カード」という言葉がありますよね。
これは、就職市場における新卒の優位性を指す言葉です。まぁ、実際に優位性があるかはココでは置いといて…
じつは、奨学金の返済にも「新卒カード」があるんです。
しかも奨学金の新卒カードは、就職とはちがって、確実に優位性があります。確実におトク。
この記事では、奨学金の返済でどのように新卒カードを使うとお得なのか、公務員専門の現役FPが解説します。
わーい。お得情報すき~
手順を説明していくね。
新卒で奨学金を超お得に返す手順
ものすごくざっくり言うと、
- 返済猶予→繰上げ返済のコンボ
これがお得に奨学金を返す方法です。具体的には、次の3ステップでOK。
- 3か月働く(給与明細を3か月分ゲット)
- 返済猶予の申請をする
- 猶予中に貯めて、あとで繰上げ返済
借りた奨学金の額にもよりますが、これだけで数万円も利息がチャラになることも。
奨学金の返済は、卒業の翌年度の10月から始まります。
仮に卒業後すぐ、4月に就職したとしましょう。放っておくと10月には返済が始まります。ちょうど仕事にも慣れてきたころでしょうか。
そこで始まるのが奨学金の返済。テンション下がりますよね…
猶予してもらって、戦略的に返済しましょう。
就職してからのスケジュール
返済を先延ばしにしつつ、利息をチャラにする流れをもうちょっと詳しく紹介します。
まずは頑張って働き、3か月分の給与明細ゲットしましょう。
日本学生支援機構へ、猶予願いを郵送します。給与明細のコピーなど必要書類を同封しましょう。くわしくは日本学生支援機構の公式サイトにて。
猶予中は奨学金を「返したつもり」でお金を貯めましょう。猶予期間は1年。1年後も収入が年間300万円くらいなら更新できます。
猶予中に貯めたお金で、一気に繰上げ返済しましょう。繰上げ返済した月数分は、利息がチャラに!
奨学金の猶予はなぜお得なのか
猶予してもらって、さらに利息もお得になるのはなんで~?
そこも解説していくね。
返済猶予→繰上げ返済のコンボがなぜお得なのか?ポイントは3つあります。
- 繰上げ返済した月数分、利息がチャラになる
- 利息は最初のうちが高い
- 返済猶予中に、利息が上乗せされない
ひとつずつ説明していきます。
繰上げ返済した月数分、利息がチャラになる
まだ奨学金を返してない方はイメージしにくいかもしれませんが、奨学金の返済額は、毎月27日に、指定の口座から自動で引き落とされます。
1万円なら1万円、2万円なら2万円という「定額」を毎月毎月、何年も返していくことになります。
仮に返済額を1万円としましょう。
すると、その1万円は、次の2つに分けることができます。
- 元金(仮に8,000円とします)
- 利息(仮に2,000円とします)
(細かく分けると「措置期間利息」というものもあるんですが、超少額ですし、ここでは気にしなくてOK。)
つまり、毎月1万円を返していても、その中身は、
- 元金は8,000円
- 利息は2,000円
となっており、利息も合わせて返しているということですね。
そして、繰上げ返済をすると、利息がチャラになります。上の例だと、2,000円は払わなくてOKになるってことですね。
繰上げ返済は「6か月分します!」とか「12か月分やるぞ!」といったように、月単位で指定することができます。
仮に6か月分繰上げ返済すれば、6か月分の利息がチャラになるということです。
ふむふむ。繰上げ返済した回数だけ利息もチャラになるのね!
奨学金の利息は最初のうちが高い
そして、ポイントの2つ目。
- 利息は、1回目が一番高く、最後に近づくほどだんだん安くなる
図にすると、こんな感じ。
1万円の例で言えば、
- 1回目
…元金8,000円、利息2,000円 - 返済ラストの月
…元金9,999円、利息1円
みたいになるということです。ちょっと極端ですけど。
これは、裏を返せば、1回目に近い時ほど、チャラになる利息がたくさんあって、繰上げ返済もお得になる!ということ。
同じ6か月分を繰上げ返済するにしても、
- 1〜6回目に繰上げ返済する
- 101〜106回目に繰上げ返済する
この2つでは、チャラになる利息額がぜんぜん違います。
(1〜6回目に繰上げ返済したほうが、お得ですね。)
そして、1回目など、初回に近い部分を繰上げ返済するときに役立つのが「新卒カード」なんです。
奨学金の返済を猶予してもらうためには、条件があります。
- 新卒等
- 経済困難
- 失業中
- 傷病
などなど…
日本学生支援機構が、そもそも「新卒」は返済が困難だろう、ということで猶予メニューに加えてくれているんですね。
とは言え、新卒社会人でも、ある程度稼いでる人は対象外です。
目安として、給与明細の総支給額が25万円(ボーナスありの場合。ボーナスなしの場合は33万円)までなら、猶予対象になります。
このあたりの詳しい条件は、日本学生支援機構の公式サイトをご確認ください。
25万円というのはあくまで目安なので、実際に申請してみないと分からない部分はあります。
返済猶予中に、利息が上乗せされない
返済猶予→繰上げ返済のコンボがなぜお得なのか?ポイント3つ目です。
ふつう、借金の返済を待ってください…とお願いして、仮に待ってもらえても、「待ってあげるけど、その分利息は取るよ」と、なりそうですよね。
でも、そこはさすが奨学金。
奨学金なら、返済を待ってくれて、しかも利息も上乗せしたりしないんです。
つまり、返済猶予についての金銭的ペナルティが無いということ。これは大きいですね。
奨学金猶予→繰上げ返済でどれくらいお得?
1年猶予してもらったとして、その後1年分をまとめて繰上げ返済したら、どれくらいお得になるの~?
僕の奨学金の返済計画表を使ってシミュレーションしてみようか。
そう、かく言う僕も奨学金を借りていました。実際の返済計画表を見てみましょう。
1年分、つまり12回分を繰上げ返済すると、21,168円の利息がチャラになります。
青枠の中を見ると、下に行くにつれて利息額がだんだん減っていってるのが分かるかと思います。
- 奨学金をいくら借りたか
- 利息の年利は何%なのか
によって変わってきますが、利息額が高い初めの分をチャラにできるのは大きいですね。
猶予期間中にしっかりお金を貯めておこう
うひょー!新卒カードさいこ~~
ね。だけど注意点もあるんだよ。
大切なのは、猶予してもらったからといって、その分使ったりせず、きちんと貯めておくこと。
返済額が1万円なら、毎月最低でも1万円はキッチリ貯めておきましょう。
そうしないと、繰上げ返済にあてるお金がなくなっちゃいますからね。
繰上げ返済用のお金を使っちゃう人へ
貯める自身ないかも…つかっちゃうかも…
そんな時は、「先取り貯金」をしてみると良いよ。
手元にお金があるとどうしても使っちゃいそう…という方は、「先取り貯金」をしましょう。
先取り貯金とは、
- 給料が入ったら、貯金用口座へお金を入れる
- 残りを生活用口座に入れて、それだけで生活する
というように、貯金用と生活用2つの口座に分けて、強制的に貯金する方法です。
昔からある資産形成の王道なので、お金を貯めたい人は必ずやってくださいね。
次の記事では、先取り貯金を自動化する方法を紹介してるので、ぜひどうぞ。
先取り貯金も自信ない…という方は、(そこは頑張って欲しいところですが 笑)
「一般財形貯蓄」や、「積立定期預金」などを利用しても良いでしょう。解約というワンクッションがあるので、簡単には使えなくなりますからね。
自治体によっては利息が有利な共済貯金が使えることもあるので、そっちも検討してみましょう。
まとめ:新卒者は奨学金の返済猶予で利息をお得に
ということでまとめです。
- 新卒は返済猶予→繰上げ返済コンボがお得
- 猶予中に浪費せず、お金を貯めておこう
2年目以降も、収入が基準以下なら猶予期間を延長できます。
あとあと繰上げ返済ができないと、利息をチャラにするメリットはありませんが、返済が苦しい方はきちんと日本学生支援機構へ相談しましょう。
一番自分にとって良くないのは、黙って滞納しちゃうこと。
滞納が3か月以上になると、個人信用情報機関に登録され、いわゆるブラックリスト入りしてしまいます。
クレジットカードが作れなくなったり、各種ローンが組めなくなるなど、ペナルティがあるので、黙って滞納するのは絶対にやめましょうね。
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