NISAのロールオーバー上限が撤廃されたので、改めてまとめておきます

2018年の1月から 『積立NISA(つみたてニーサ)』がスタートしますね。

せっかくなので、つみたてNISAについて書いておこう!
と思ったら、まだ現行のNISAについてちゃんと記事にしてなかった…

というわけで今回は現行NISAについて詳しく掘り下げた記事を書きます。

平成29年度税制改正で現行NISAにもワリと大きな変更がありましたので、そのあたりも含めてメリット・デメリット・注意点について説明します!

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NISA(ニーサ)とは?

以前書いた、学資保険って本当に必要?という記事でもちょこっと触れましたが、簡単に言うと『お得に投資できる制度』です。

「何がお得になるの?」というと『税金』です。

通常、株や投資信託で得た利益からは、20.315%の税金が取られてしまいます。
しかし、NISAを使えばこの税金を『非課税』にできます。

非課税=税金が取られない

ということですね。

使っているかいないか、たったそれだけで損得が分かれるNISA。
投資をするならぜひ活用したい制度です。

NISAの種類

ひとくちにNISAと言っても、実は3種類あります。
(2017年9月現在) 

NISAの種類

  • NISA(現行NISA)
    →2014年にスタート
  • ジュニアNISA
    →2016年にスタート 
  • つみたてNISA
    →2018年にスタート予定 

今回の記事では、特に注釈がない限りNISA(現行NISA)を指します。

ちなみに、正式には現行NISAというコトバはありません。
比較記事などでよく現行NISAと書いてありますが、他のNISAと区別するための表現です。

NISAを使うには?

NISAの非課税メリットを手にするためには、『NISA口座』をつくる必要があります。

NISA口座は金融機関(銀行や証券会社)でつくることができますが、条件や注意点があります。

  1. 日本在住&20歳以上(口座開設年の1月1日時点)
  2. 1人1口座しかつくれない
  3. 金融機関によって、投資対象商品が異なる

特に注意してほしいのは3番目。

生活上よく使うので、身近に感じてしまいがちな『銀行』。
しかし、銀行でのNISA口座開設は個人的にあまりオススメしておりません。

理由は主に3つ。

  1. 株取引ができない(投資信託しかない)
  2. 扱っている投資信託も少ない
  3. 手数料が高め

自分は投資信託しかやらないし…という方も、株式に投資したくなるかもしれませんので、証券会社での開設をオススメします。

ちなみに、ぼくはSBI証券でNISA口座を解説しています。

NISAのメリット

さて、もう少し詳しくNISAのメリットを見ていきましょう。

NISA口座をつくると、その口座内に『毎年120万円の非課税投資枠』が2023年(平成35年)まで毎年もらえます。 

もらった非課税枠では、5年後の12月末まで運用できます。
そして5年後には、次の3つの道から選べます。

5年後の選択

  1. 売却
  2. 課税口座へ移管
  3. 翌年の非課税投資枠へ移管(ロールオーバー)

ちょっと判りにくいので、図にしてみました。

NISAの投資イメージ

NISAの投資イメージ

例えば、H29.10にNISA口座をつくって、よっしゃNISA始めるぞという場合。

  • H29年の非課税枠
    H34年の非課税枠へロールオーバーOK
  • H30年の非課税枠
    H35年の非課税枠へロールオーバーOK
  • H31年の非課税枠
    H36年はもう非課税枠がないのでロールオーバーできない…以降おなじ

となります。
ロールオーバーすることで、非課税での保有期間を延ばすことができるというしくみですね。

ロールオーバーの上限撤廃

ここでちょっと新しめな話を。

このロールオーバーできる金額、以前はその年の非課税枠が上限額(つまり120万円)だったんです。

例えば、こんな感じ。

これまでのNISA

  • 投資がうまくいって5年後150万円になった(嬉しい!)
  • 翌年の非課税枠へロールオーバーできるのは120万円、30万円は課税口座へ(イマイチ…)

このロールオーバー上限の120万円が、平成29年の税制改正で撤廃されました。

なので、こう変わりました。

これからのNISA

  • 投資がうまくいって5年後150万円になった(嬉しい!)
  • 翌年の非課税枠へ150万円まるまるロールオーバー(めっちゃええやん!)

 

上限撤廃の何がいいのかというと…

ロールオーバー時に含み益がある場合は、非課税で保有できる元本金額が増えます。
その後も運用を続けることで非課税メリットをさらに享受できます。

複利での運用は期間が長いほどインパクトが大きいので、より長期投資向けの制度にアップグレードしたって感じですね。 

平成29年税制改正では積立NISAが目立ったけど、この現行NISAの進化はデカい。 

ちなみに、本題からはそれますがジュニアNISAでも同様に上限撤廃されてます。

NISA・ジュニアNISAについて紹介しているサイトやブログでも、この上限撤廃について書かかれてないことも多いので要注意。

NISAのデメリット

なかなかいい感じのNISA、デメリットはないんでしょうか。

NISAのココに注意!

  • 損益通算(相殺)ができない
  • 値下がり状態で課税口座に移すと損が加速
  • 3年の損失繰越ができない

やっぱりありましたデメリット。
そう、必ずしも得するとは限らないんです。

損益通算ってなに?

投資をされてる方はご存知だと思いますが、『損益通算』という便利な制度があります。

たとえば、あなたがA証券の取引で10万円の利益を出したとしましょう。

利益の約20%は税金として払わなくてはなりません。
この場合、2万円を払いますね。

他にB証券でも取引をしていました。
こっちでは6万円の損失が出てます。

このような場合に、

『利益が10万円で損失が6万円、差し引きで4万の利益。その20%で、税金は8千円でいいよね?』

みたいに相殺することができるんです。 

NISA口座内での取引は、この損益通算ができません。

「利益は非課税にするから、損失の面倒は見ないよ(冷酷)」というわけですね。

値下がり状態で課税口座に移すと損が加速

こちらも具体例で考えてみましょう。

100万円で運用スタート、5年後のNISA終了時に80万円になった。

しかたないので課税口座に移して運用。

2年後に100万に戻った。よかったよかった。ふー、売却ポチ。

と は な り ま せ ん

課税口座に移した時点の金額で取得価格が上書きされます。
この場合、80万円で運用をスタートしたことになります。

つまり、「80万から100万への値上がりか…お?ということは利益20万出たよね?20万の20%は税金としてもらっとくね(冷酷)」ということです。

いやいや元に戻っただけやん!
と言いたくなりますよね…でも悲しいことにそうなってるんです。

3年の損失繰越ができない

通常、投資で損失が出た場合、確定申告すればその損失を翌年以降3年間繰り越すことができます。
翌年以降の利益から損失として差し引けるので、 節税になります。

これを『損失繰越』といいます。

でも、例によってNISA口座で出た損失は損失繰越ができません。

NISAのメリット・デメリットの考え方

「うーん…メリットもあるけど、意外にデメリットも多くない?」という声が聞こえてきそうなNISA。
実は、メリットもデメリットも、考え方の最大のポイントは『非課税』です。

一言で言うと、

「もうけもないけど、損もない。」

これがすべて。非課税の正体です。

もうけがないんだから、当然非課税。

損もないんだから、当然他の株式との損益通算や繰越控除なんてできない。

こう考えると、幾分シンプルに捉えることができるのではないでしょうか。

まとめとNISAの注意点

さて、ここまでNISAのメリット&デメリットを紹介してきました。

さいごに、NISAの注意点をいくつかあげておきます。

NISAで気をつけると良いこと

  • 新規購入が対象
    元々持ってる株式等をNISA口座へ移すことはできない。
  • 未使用非課税枠の繰越は不可
     80万しか使わなかったので、残りの40万を翌年に繰り越し、160万にするということはできない。
  • 株式数比例配分方式を選ばないと課税
    配当金の受取方法で、「株式数比例配分方式」を選んでおかないとフツーに課税されてしまう。
  • 一度に使い切る必要はない
    『累計』120万円までなので、1年間毎月10万円ずつ積立投資でOK。
  • 中途売却しても、その年の非課税枠は復活しない
     売った分は非課税枠としてキッチリ消費されるので、短期売買(いわゆるトレード)には向かない。
  • 口座開設に時間がかかる
    NISA口座の開設は、通常の口座に比べて時間がかかるので、使いたい人は早めに申し込むとマル。

NISAはお得に使える制度ですが、知っておくべき落とし穴もあります。

今回紹介したポイントを押さえて、かしこく資産を育てましょう!

以上、『NISAのロールオーバー上限が撤廃されたので、改めてまとめておく』という記事でした。

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