あまり語られない確定拠出年金の唯一にして最大のデメリット/これアカンやつやん…

こんにちは、2級FPのnino(@kurashilog)です。

平成29年1月から加入対象者が拡大されるということで何かと話題の個人型確定拠出年金、通称iDeCo(イデコ)。

各種メディアで「加入しなきゃ損!!」とメリットばかりが取り上げられ、興味を持っている方も多いのではないでしょうか。

「早速加入しちゃうぜ〜!」と資料請求かましたそこのアナタ!…ちょっと待ってください。

今回は、あまり語られない確定拠出年金の注意点・デメリットを紹介します。
選ぶ商品にかかわらず、確定拠出年金を利用するすべての方が関係する内容です。

加入を決めるのはこの記事を読んでからでも遅くないので、ぜひチェックしてみてください。

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特別法人税(年率1.173%)という罠の存在

煽ったタイトル&見出しでスミマセン 笑
でもコレ見逃せないデメリット・注意点なので知っておいて欲しいのです。

  • 確定拠出年金には、積立金の全額に対して1.173%の特別法人税という税金が毎年課税されます。
    ただし、平成29年3月まではこの課税は凍結されてます。

「法人税?なにそれ個人で積み立てるのに法人税がかかるの?」

「確定拠出年金は非課税って聞いたけど?」

…そうですよね。実際に”確定拠出年金”でググっても特別法人税についての情報があまり出てこないので、知らない方もいるかもしれません。

少し詳しく見ていきましょう。

特別法人税が与える影響

上で説明したように、積立金全額に1.173%の税金が毎年かかります。

この「積立金全額」「毎年」ってところがじわじわ効いてきます。

積立額は年々増えていくので、積立開始したばかりの頃と、積立終了間際ではかかる年金額に差が出ます。

積立額が増えるにつれて、取られる税金も増えていくということですね。

ちょっとシミュレートしてみましょう。
分かりやすくするため、運用益と手数料は無いものとし、元本と同額が積み立てられていくと仮定します。

  • 老後が心配なninoさん。「公的年金や退職金は期待できないし、自分で老後資金を準備しておこう。」そう思ったninoさんは、30歳から確定拠出年金に加入し、月額2.3万円(年額27.6万円)の積立を開始しました。
  • しかし、「特別法人税」の凍結が解除され、1.173%の税金を取られるようになってしまいました。ウソでしょ悲しすぎるんですけど。
  • この場合、35歳で凍結解除されたninoさんと59歳で凍結解除されたninoおじいさんは、いったいいくらの税金を払うことになるでしょう。

《答え》

  • 35歳のninoさんの場合
    積立総額:約165万円
    税額:約2万円
  • 59歳のninoおじいさんの場合
    積立総額:約828万円
    税額:約10万円

元本保障タイプを選んでいたとしてもこれだけ取られちゃうんですね。ninoじいドンマイ。

また、この場合の確定拠出年金による減税効果と特別法人税についてもグラフにしてみました。

青:特別法人税
赤:減税額

減税額は所得税と住民税の合計額です。
所得税は30〜39歳まで10%、40〜59歳まで20%として算出し、住民税は一律10%としました。

30〜39歳:276,000円のうち所得税10%、住民税10%で55,200円の減税効果

40〜59歳:276,000円のうち所得税20%、住民税10%で82,800円の減税効果

積立開始後しばらくは減税額の方がかなり多くヤッホイ状態ですが、資産が増えるにつれその差は次第に縮まり、50代後半では逆転しちゃってます。

かなりざっくりとしたシミュレーションですが、特別法人税が凍結解除された場合のインパクトの大きさがうかがえます。

また、元本保障ではなく、運用益が見込める金融商品を選んだ場合はさらに悲しい結果になる可能性も。積立額に依存する減税額は変わらないのに、運用で黒字が出たらその分多く課税され、赤字になっても減税措置はなく課税されちゃいますからね。

せっかく黒字が出たのに後悔…といったこともあり得ます。

では確定拠出年金はしないほうがいいの?

ここまで、ちょっと大げさに確定拠出年金のデメリットを書いてきました。
では、確定拠出年金はしない方がいいのか?

個人的にはしたほうがいいと判断してます。

なぜか?理由は3つあります。

①これまで1度も課税されてない

確定拠出年金制度がスタートした当初から、特別法人税は凍結されており、これまでに1度も課税されたことがありません。

何度も凍結解除は先送りにされてきたんですね。

②撤廃が求められている

個人投資を促進していく現代、確定拠出年金はキモになる制度です。が、特別法人税が課せられるようになれば利用者は増えませんよね。

そんなこともあり、金融業界から撤廃が求められてます。特別法人税いらんやろと。
平成29年度の税制改正でも、複数の省庁から特別法人税の撤廃が要望事項としてあげられています。

平成29年度の税制改正大綱が12月半ばに発表される予定ですので、そこで特別法人税についても触れられると思われます。

凍結解除となるのか、再び先送りされるのか、はたまた撤廃されるのか。

「確定拠出年金やってみようかな…」という方は税制改正大綱の発表を待ってからでも遅くはないですよ。

③年利1.173%超えの運用を目指せば良い

特別法人税の税率を超える運用を目指せば良いのでは、という攻めの発想。

確定拠出年金の運用益は非課税ですから、通常の証券口座で運用するよりもメリットがあります(通常は運用益の20.315%の税金が取られる)。

また、同様に税金面でメリットがあるNISAと比較しても、優遇が受けられる投資総額や期間の制限がないため、確定拠出年金はより長期投資に向いた制度だと言えます。

まとめ

今回、「特別法人税」をテーマに確定拠出年金について書きましたが、この記事を通してぼくが伝えたかったことはひとつです。

メリット・デメリットを把握し、自分の意思で決めよう。

確定拠出年金に限らず、投資にはリスクが付き物です。
資産が増えることもあれば、減ることもある。そう、減ることもあるんです。

その特性を理解したうえで主体的に投資するほうが、後々幸せになれる可能性が高まります。

必要以上に身構えることはないけど、最低限の知識は持っておこうということですね。

これからは個人投資の時代です。
丸腰で戦場に放り出されたらすぐにキルされちゃいますよね。リスポーンもできないかもしれません。

もちろん、専門家に委ねる金融商品もありますし、それらを選ぶのも良いでしょう。
たいせつなのは、一度は自分で考えてみて、判断を他人に任せっきりにしないこと。

この記事にたどり着いた方は熱心な方だと思いますので大丈夫でしょうが、もし周りに「よく分かんないけどおトクらしいし、確定拠出年金始めちゃおう」なんて方がいたら、「おいおいやばいだぜ、こういう注意点もあるんだぜ」と教えてあげてください。

まあ正直なところ、確定拠出年金に限って言えばメリットが上回っているのでおすすめしても問題ないとは思いますが、「自分で考えてみる」というワンクッションがあるのとないのとでは、損失時のダメージが違ってきますからね。

とりあえずは今月半ばの税制改正大綱の発表を待ってみましょう。

発表後にまた記事にしてこのページからリンクを貼るので、よければブックマークをお願いします。
↓書きました!

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